どうして年末は音楽イベントが集中するのか

これまで疑問に思わなかったことを改めて議題にしてみると、そういえばと思い知らされることはないだろうか。なんでもないことなのかもしれない、当たり前なんだから問題にすること事態が不毛だ、などと言ってくる人もいるでしょう。ただそれではやはり世の中つまらないと思う。なにか含む所があれば徹底的に追求するべきだと、せっかく知性と好奇心、それらを基として調査という行為ができるからこそ、人間は文明を獲得しえたのだ。

何だか哲学的な始まり方だが、今回取り上げてみたい疑問点は『クリマスを含めた年末にどうして音楽関係のイベントが多数、開催されるのか』、という点についてです。テレビなどのメディアもそうですが、全国各地にあるコンサートホールを始めとした施設を貸しきって行われるなど、あちこちで音楽一色となる。しかし今にして思え、なぜここまで音楽を楽しむためのイベントが開催されるのでしょうか。ただただその日を喜び合う、という意味合いだけではない気がする。まぁ日本人はお祭り事が大好きなお国柄ですので、理由なんてただ騒げていればいいだけなのかもしれません。

ですがここに意味を見出すとしたらどうでしょうか。実際に行われてきた音楽イベントの中で、とりわけ大きく話題を集めたものもある。それらに参加したことがある人も当然いるでしょうし、寒い中で遠くまで外出するほどアクティブではない、という人もいるはずだ。外で熱狂して季節外れの汗塗れになったり、内でおこたに包まれて蜜柑をついばんで退廃的に過ごすのも一興。どちらを取るかはその人の性格や趣向によりますが、今回は外の話に焦点を当てていきたい。

かつて開催されていた音楽イベントの1つで、『MUSIC FOR ALL, ALL FOR ONE』というものがありました。確認されている記録においては、2011年から2014年まで開催されていたこちらのイベントについて、まずは概要などから見てみよう。

イベント概要

MUSIC FOR ALL, ALL FOR ONEに参加した、参加していなくても話には聞いたことがあるという人を含めるとそれなりにいると思います。なにせこのイベントに参加したアーティスト出演勢は今の音楽業界、その一線で活躍している人たちばかりが選出されているからだ。行きたいという人は絶対にチケットを取ろうと息巻くだけの価値はあるでしょう。複数のアーティストが出演すると歌唱する楽曲は限られてしまいますが、より多くの音楽が楽しめるという意味ではお祭りとしてまたとないイベントだ。

この音楽イベントの一番新しい開催日は『2014年12月20日(土)~21日(日)』の二日間となります。コンサート会場として指定されたのは東京渋谷区代々木にあります、国立代々木競技場第一体育館だ。今現在の話をすると何かと話題を振りまいている、疑惑の恩讐と揶揄する人もいるかもしれません。おまけに丁度その話題が出る寸前でしたからさほど騒がれなかったが、後になって世間を揺るがすほどの事態になるなど、誰にも予想は出来なかったと思います。

そんなイベントに出演しているアーティストですが、次のような方々が出演している

出演アーティスト

上記に記した出演アーティストについてですが、イベント開催までに渡り6度の情報告知を持って発表されていった。

正直なところ、そこまで引っ張る必要があったのかという点が否めません。変な勘ぐりをするなら、ここまで長々と発表したのには出演してもらえるアーティストの数が足りなかったので再三契約交渉を行っていたといったところか。物凄いリアルな話ですが、単独で開かれる音楽イベントと複数のアーティストが揃って行うものとでは収益の意味でもだいぶ違ってくる。

そういった懐事情も関係ありますが、見てもらうとすぐに分かる人もいるでしょうが、参加している人たちはみな事務所はもちろん、所属しているレコード会社やレーベルが全くのバラバラだと言う点だ。どうしてかというと、これこそがこの音楽イベントを開催する重要な要素だからです。

東日本大震災を経験して

このイベントが開催され始めたのは2011年、誰も忘れることが出来ない東日本大震災がきっかけだ。その年は3月以降、おめでたい話題が起きようと決して喜びを表現することが出来ない、日本の停滞年とまで言えるだろう。1万人以上が死亡し、行方不明となったことで焦燥する被災者を中心として、日本を明るくするためにという趣旨が立てられています。だからこそ、このイベントではレーベルやレコード会社などのしがらみに囚われないで多種多様のアーティストが集まっていた。

ここまで見ている人は中々いないと思いますが、騒げればいいという人がほとんどでしょう。無意識に多くの人のためになるならという気持ちがあればそういうのも悪くはありません。ちょっと汚い言い方をするなら、お祭り野郎な日本人を扇動するにはうってつけのイベントだ。

クリスマスに近い時期として

MUSIC FOR ALL, ALL FOR ONEというイベントが行われるようになった理由や経緯については先述記したとおりとなっています。背景を見ると色々あったからこそ開催されたという言い方が適切なのかもしれません、見方によっては不謹慎だと嫌悪する人もいるかと。それはそれでしょうがない、ただこうしたイベントはどうしても日本で行うと浮いたものになると感じるのは筆者だけだろうか。それというのも、元々この時期はキリスト教にとって『待降節』と呼ばれる時期であり、キリストが誕生する12月25日までの期間を皆で喜び祝福しあうために心待ちにしようとするものだ。

この頃になると協会からは頻繁にミサなどが開かれてキリストの福音を受けようとするために歌が用いられています。そこに込められた万感の思いは信徒にとって清く正しいものであり、喜びをわかちあおうと言う厳粛さが垣間見られる。

イベントの趣旨と時期的なものを考察すると、あながち間違っていない、逸脱はしていません。参加している人がそこまでの思いを持っているかと問われれば残念ながら皆無でしょう。またこう考えると日本で年末に近づくつれて音楽イベントが多く開催される理由が何となく見えてこなくもない。